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AI技術活用 廃棄物処理施設における燃焼状態識別 東芝デジタルソリューションズ株式会社 ソフトウェア&AIテクノロジーセンター ディープラーニング技術開発部

AI技術活用 廃棄物処理施設における燃焼状態識別 東芝デジタルソリューションズ株式会社 ソフトウェア&AIテクノロジーセンター ディープラーニング技術開発部

AIによる燃焼画像の識別で、燃焼の最適な制御を支援

近年の廃棄物処理施設では、ゴミを燃やすことで発生した熱を電気に変える発電設備を持った施設が増えており、発電効率の向上が課題になっています。発電効率の悪化要因の1つに燃焼状態の異常があります。安定した燃焼を維持するため、運転員が常に燃焼状態をモニターして制御を行うのですが、燃焼状態の判定は容易ではありません。これまで、この判定は熟練者の知恵と経験に基づいて行なわれていますが、今後、事業の拡大に伴って施設が増えていくと、熟練運転員が足りなくなることが想定されます。そこで、監視画像による燃焼状態の判定をAIに任せることで、管理すべき施設数を容易に拡大することが可能となり、同時に運転員はより高度な業務に集中できるようになります(図1)。

東芝デジタルソリューションズが提供するアナリティクスAI 「SATLYS™」は、この燃焼状態を判定する高精度なAIモデルを構築し、JFEエンジニアリング(株)の廃棄物処理施設における燃焼監視システムで使われています。そこではAIの判定が運転員の判定業務を支援し、燃焼状態の制御に役立てられています。

AIシステムを長期にわたり運用するためにはAIモデルを状況に合わせてメンテナンスすることが重要です。例えば、監視画像やセンサーデータに基づく異常検知では、大量の学習データにより事前に学習を行うことにより異常と正常を識別するAIモデルを構築し、その学習済みのAIモデルを用いて異常・正常の識別を行います。そのため、データ入力機器の経年劣化などが原因で識別すべきデータの性質が学習時点から変化した場合、識別精度に悪影響を及ぼします(図2)。

廃棄物処理施設での燃焼状態においても、季節の移り変わりなど様々な要因から影響を受けるため、定期的に最新のデータによる学習を行いAIモデルの精度を維持、向上させていく必要がありますが、そのためのメンテナンスコストが課題となります。通常、AIの学習には熟練者の知見を収集した大量の学習データが必要となりますが、「SATLYS™」はこの作業時間を大幅に短縮しつつ、精度を向上させる独自の学習効率化技術によってAIモデルのメンテナンスコストの削減を実現しました。これにより、状況に合わせて、容易にAIモデルを更新していくことが可能となっています。さらに、システムを類似の施設、例えば新規増設の発電設備等に横展開する場合、AIモデルを効率よく再利用する仕組みの導入により、早期の立ち上げを可能にします。

以上のように「SATLYS™」は、先進的な技術で立ち上げから運用・保守までAIシステムのライフサイクルをサポートしていきます。

燃焼状態監視システム

SATLYSにより運転員の知見を学習し、燃焼状態の制御を支援

燃焼状態監視システムのイメージ画像

燃焼状態監視システムのイメージ画像

AIモデル性能変化イメージ

入力データの傾向変化によりAIモデル性能が劣化していく様子を表したグラフ。一定の性能(赤線)を下回るようだと、AIモデルの更新を行った方が良い。

AIモデル性能変化イメージ画像

AIモデル性能変化イメージ画像