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価値創出型アプローチを視野にアフターサービスは進化する

企業が一体となって顧客価値の創造を実現しようとしていく中で、アフターサービスに期待される役割も大きく変化しつつあります。

従来のアフターサービスで求められていた評価指標は、顧客対応における品質の向上と業務の効率化をいかに両立するかでした。壊れる前に直すという予防保守の点検を行ったり、壊れた時にすぐに直すための情報の共有や保守体制の整備、人員やパーツの手配などを最適化したりしながら、コストの削減に努めます。

最近ではこうした評価指標に加え、価値創出型の評価指標も求められるようになりつつあります。

例えば、アフターサービスで得られたデータを企業内でもっと活用しようというもの。アフターサービスを通して得られた顧客やサービス部門の声をフィードバックして商品企画や品質向上に生かしたり、セールス部門と連携して重ね売りにつなげたり、商品の利用状況から判断して顧客の離反防止策を講じたりします。

さらに、アフターサービスで得られたデータを活用して、新規ビジネスを創出しようという動きも見られます。実際に、機器の利用状況のデータを分析して販売やコンサルティングを行ったり、商品の利用データを活用して新たなサービス事業を展開したりすることで、サービス収益を伸ばしている企業も出てきています(図1)。
図1 アフターサービス事業における評価指標をバランススコアカードで表現した例

こうしたアフターサービスの高度化をICTで支えているのが、多様な利用形態に対応した、拡張性と連携性に優れたアフターサービスのシステムです。モバイルの活用や外部パートナーとの連携、顧客が自らデータにアクセスできる環境、グローバルへの迅速な展開など、企業のニーズに応えるさまざまな仕組みが用意されています。

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アフターサービス業務に求められる三つの基本要件

これまで当社は東芝グループはもちろんのこと、精密機器、医療機器、住宅および住宅設備、輸送機器、製造装置など、多くの製造業にソリューショ ンを提供し、ともにアフターサービス業務改革を成し遂げてきました。

例えば精密機器販売・サービス会社では、機器も含めたチャネル間の連携が格段に向上しました。機器の稼働状況、サービスマンの作業進捗、コンタクトセンターの応対履歴など、それぞれの動きがよく見える、よく分かるようになり、作業効率向上とサービス品質向上の両立を実現しています。

さらに、機器から取得できる情報から予防保守点検を自動導出したり、消耗品がなくなる前に自動配送したり、IoT*1の先駆けともいえるアフターサービス事業を支える仕組みを提供してきました。

業種や業態によらず、アフターサービス業務に共通して求められている基本要件は、大きく三つに分けられます。

*1 IoT:Internet of Things

まず、アフターサービス業務のプロセス全体の整流化。機器の修理や消耗品の供給などの受け付けから、担当者の割り当てやモノの手配、作業後の報告、業務分析まで、アフターサービス業務の全体を途切れることのない一貫性のある業務プロセスとしてデザインすることが求められます。

次に、蓄積したあらゆる情報が、お客さまや利用商品を軸に統合管理できていること。過去の作業履歴はもちろん、点検予定など将来の作業計画も含めてサービスカルテとして網羅し、抜けや漏れ、矛盾のないサービスの提供が求められます。

最後に、オムニチャネルに対応すること。さまざまなタイミングで生まれるアフターサービス起点の情報を、企業内のシステムだけでなく、お客さまやパートナーが利用するWebポータルにタイムリーに発信したり、Webポータルからのアクセスに企業内のシステムが応答したりするような仕組みが求められます。

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ICTの新たな仕掛けでアフターサービスを支える

こうした要件を満たし、さらなる進化を遂げるために、まず必要になるのが、多岐にわたるアフターサービス業務を統合管理するデータモデルと、それを利用シーンに応じて適切にユーザーに提示する画面構成です。選択した業務区分や業務の進捗状況、製品などの情報を状況に応じた最適な画面構成で表示でき、ユーザーの使い勝手を向上させます。

次に、変化に柔軟に対応する可変性と、拡張性に優れたITアーキテクチャーです。ユーザーが利用する画面機能とサーバー側のデータ処理機能を分離し、処理内容は同じでも、利用シーンや利用ユーザーに応じて見せ方を変えたいという要求に応えます。

この数年で、企業でのスマートフォンやタブレットなどモバイル端末の利用は大きく伸びており、アフターサービス業務はその代表例でもあります。今後は、ウェアラブル端末など新しい機器の利用も積極的に取り入れていく企業が増えていくと予想され、業務アプリケーションには、いつでも、どこでも、誰でも、その利用シーンに応じた最適な使い勝手が期待されます。

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事象パターン抽出エンジンが最適な計画・手配を自動生成

T-SQUARE/ASは、これまで述べてきたアフターサービス業務に求められる要件をカバーし、必要とされるICTの仕組みを装備したソリューションとして構成されています(図2)。その最大の特長は、業務のプロセス全体を一貫してサポートし、アフターサービスに必要とされるヒト・モノ・ことをお客さまの視点で統合管理して、手配や作業計画をプロアクティブにリコメンドしてくれることです。
図2 T-SQUARE/ASの全体像

T-SQUARE/ASでは、コールセンターへの問い合わせや修理の受け付け、サービスマンからの作業報告などアフターサービス業務で取得し管理されるデータに加え、IoT連携で、機器から吸い上げられるさまざまなデータ(アラートやエラー、消耗品の消耗度、温度や湿度のセンサーなどの情報)を全て機器情報にひも付けて統合管理することができます。

統合管理された情報は「事象パターン抽出エンジン」と呼ばれる当社独自の分析プログラムによってデータ活用シナリオに基づき分析され、例えば、故障する前の予兆アラートや消耗品が枯渇する前の消耗品供給リクエストを発信します。このエンジンは、時系列に並ぶ過去データからクリティカルな事象が発生する前にアラートのタイミングを導き出すもので、当社の研究所で開発が進められてきました。このエンジンが導き出した予兆監視のシナリオとその後の活用シナリオ(具体的なアクション)を一体化させ、提案型アプローチを実現できることもT-SQUARE/ASの大きな特長です。提案型アプローチを司る業務ルールに基づき、担当者(ヒト)や交換部品(モノ)の手配、点検計画など(こと)の立案を自動化し、抜けや漏れ、手戻りのない、高品質なサービスを提供し続けます。

新たな価値創出型のアプローチでアフターサービスを実現する上で、T-SQUARE/ASは欠かすことのできないシステムと確信しています。

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※本内容は東芝ソリューションの情報誌「T-SOUL14号」の特集から転載しています。
※本記事に関する社名、部署名、役職名などは2015年4月現在のものです。
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