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大きく進化しつつある顧客志向の実践

CRMは、幅広い解釈によって用いられる言葉です。広義には、顧客(Customer)との関係性(Relationship)を管理(Management)し、最適化することによって業績の向上を目指すもので、マーケティング戦略であり、手法の一つであると定義されています。

企業にとって顧客志向はいつの時代でも重要な命題であり、一部の企業では1950年以前から理念に掲げてきました。

1970年代から1980年代にかけて欧米経済が不確実の時代に入ると、マーケティングに変革がもたらされ、「製品中心のマーケティング」から「顧客志向のマーケティング」へと進化しました。顧客志向は、理念だけでなく実践すべき命題となり、その背景の中でCRMが誕生し発展してきました。

そして今、顧客志向の実践が大きく進化しようとしています。

企業には多様化する顧客とのチャネルを顧客視点でフォローすること、つまり顧客が商品を購入する時だけでなく、購入に至るプロセス、購入した後の利用状況なども重視した顧客対応が求められています。顧客は、購入を検討する時に情報が集めやすいか、購入した後のサポートに安心感はあるかなど、あらゆる体験を価値と捉えて企業との関係性を形成するようになっています。

また、顧客は多様な購入の窓口(オムニチャネル)を渡り歩きつつ、ある窓口で商品を買い求め、時には使用感などをネットや口コミなどでシェアします(図1)。
図1 ビジネスライフサイクルにおける多様な顧客接点と顧客経験の例

さらに、企業には顧客へ最大の価値を提供できるように、商品やサービスを最適な形で提供することも求められています。単に商品を販売するだけでなく、他の企業と協働して関係するサービスなどもバンドルし顧客へ提供します。これは、商品の仕様や性能を表す「機能的価値」に、利用する顧客が主観的に意味づける「意味的価値」を加えた新しい価値の創造といえます。

そして、これらの進化へ対応するためには、顧客プロフィールや取引データだけでなく、購入した商品やサービスの使用状況なども把握する必要があります。さらに、顧客が「何を考え何を求めているか」という顧客インサイトをできる限り把握し、それに基づいて顧客ごとのマーケティングを展開していくことが求められています。

センサーやネットワークを活用したIoT*1、ビッグデータの分析・活用、音声や画像などを知識化するメディアインテリジェンスといったテクノロジーの進化も、顧客志向の進化を加速させています。

*1 IoT:IoT:Internet of Things

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20年以上進化を続けてきたCRMソリューションへの取り組み

東芝のCRMソリューションでは、CRMシステムの開発や導入のみでなく、CRMを実現するための業務改革コンサルティングや業務定着支援など、CRMを実践するための各種サービスを提供しています。

当社がCRMソリューションへの取り組みを始めたのは1990年代の後半、日本におけるCRMの黎明期からです。

顧客接点や顧客志向の実践の形は企業それぞれ、実にさまざまです。当社では、市場やお客さま企業のニーズに対応してCRMソリューションを強化し提供してきました。

そこでは、ビジネスインテリジェンスや営業支援ソフトウェアなど、さまざまな分野のグローバルでメジャーなパートナー企業とも協働しています。

当社のCRMソリューションの強みは、東芝グループ内外の多くのお客さまの現場に入り込み、具体的な問題解決や現場のニーズを取り込んでいることです。コンタクトセンターやアフターサービス、企画・マーケティング、営業など専門性の高いあらゆる現場で利用いただき実践されたソリューションをベースに、お客さまのニーズにマッチした付加価値を提供してきました。

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顧客志向の実践の進化に合わせCRMソリューションを革新

2014年11月、当社のCRMソリューションは、企業と顧客そして顧客志向の変化へ対応し、「T-SQUAREx」として進化させました(図2)。
図2 T-SQUARExの全体像

その特長は、ビジネスや顧客志向の変化などに柔軟に対応できる、各社にフィットしたCRMを構築できることです。顧客接点で必要な業務機能と、音声認識やワークフローなどの共通アプリケーション機能などを「機能ユニット」として準備。必要なユニットの組み合わせにより、お客さま企業にフィットしたCRMを短期間で構築することができ、段階的な拡張も可能です。

次の特長は、東芝グループの最先端の技術と多数の実績や経験とを融合させた、新しい価値創りの実践です。東芝の音声認識技術を使い、顧客接点でのお客さまや社員の声をデータとして直接活用できる環境を実現しています。

また、業界標準のUIライブラリーなど、企業のIT部門や開発パートナーに親和性が高い技術を採用し、利用するユーザーへは使い勝手の良い操作性とスピーディーな応答性を提供しています。

さらに、顧客視点で求められるサポートやアクションを、企業起点で積極的に行える環境を基盤として整備したことも特長の一つです。さまざまな顧客接点の情報を統合・一元化することで、顧客一人ひとり、企業一社一社に向き合った適切で適時な対応をアクティブに行える仕組みを実現し、アフターサービスなどの業務へ組み込んでいきます。Webやソーシャルメディア、センサーデータ(IoT)などとの連携を高め、顧客が商品を購入する前後の体験や行動、利用した商品から発信された情報などを収集・分析することで、顧客自身も気付いていない一歩先のサービスを提供できるようになります。

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CRMを経営目標に融合させ実践させるシステム化計画コンサルティング

お客さまがCRMの導入を検討する際のシステム化計画のコンサルティングを手掛けているのも、特長の一つです。

CRMシステムの導入には、どこからどう取り組んでよいのかが分からないことも多く、二律背反のジレンマに悩むこともあると思います。そこで当社では、経営目標と現場の課題の両面を解決するために、ステップを踏んでシステム化計画を立案する支援をしています。

大事なポイントは、プロジェクトの目的を設定した後に、実際の業務とITシステムの現状を調査すること。これは、絵に描いた餅にしないためであり、導入期間を短縮するためでもあります。業務調査では現状ある現場の課題を明らかにし、ITシステム調査では、現状のシステムを確認しデータやシステム間の連携性や課題を把握します。

プロジェクトテーマの抽出は、バランススコアカードの戦略マップなどを用いて進めます。関連部門の戦略マップをお客さまのキーマンと共同で作成し、全体の課題やKPIを可視化した上で、プロジェクトに関連する戦略を経営目標テーマとして選定します。

次のステップでは、課題を整理し、選定した経営目標テーマとの融合を図ります。その後、イノベーションの組み込み、あるべき業務プロセスの策定をし、効果指標と成果を定義します。

当社ではこうしたシステム化計画のコンサルティングを通して、お客さま企業の経営目標と現場の課題とのバランスを見つつ優先度をつけた、具体的なCRMのシステム化計画の立案とその実践を支援してきました。

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東芝グループの改革とCRMソリューションのさらなる進化

東芝グループは、社会的課題に向き合いながら、事業を通じて「安心・安全・快適な社会―Human Smart Community」の実現を目指しています。そして、グローバルで人々の生命や生活を支えるための技術、商品、サービスの融合を「lifenology」と表現しています。さまざまなステークホルダーと協働し、従来の機能的価値(「モノ」)だけでなく意味的価値(「こと」)を加えた「モノ+こと」で新たな価値を共創し、価値を連鎖させて社会全体に貢献することを目指しています。

このような中、当社のCRMソリューションの役割も変わろうとしています。当社が得意とする顧客接点対応やアフターサービス、顧客情報統合の仕組みは「モノ+こと」を実現するビジネスの基盤で大事な役割を担います。東芝グループが持つ先進の研究開発成果を取り込んだ新しいテクノロジーを導入し、活用することも期待されています。IoT連携による高度化、フロントチャネルの多様化への対応とデジタルマーケティング、ビッグデータ活用による予兆分析、メディアインテリジェンス技術を活用した顧客インサイトの収集などで機能強化をしていきます。さらに当社が強みを持つBPOサービスを加え、トータルでインテグレーションしサービスとして提供することで、企業のさらなるグローバル化や新しいビジネスの立ち上げを支えていきます。

*2 BPO:Business Process Outsourcing

今後もそこで培った顧客価値を創造するためのノウハウや実践された顧客志向のソリューションをお客さまへご提供していきます。これはこれからも変わらない当社のCRMソリューションの強みです。

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現場力を活用するサポートインフラとして「T-SQUARE」を活用

東芝ITサービス株式会社
企画部
IS企画担当
参事
谷口 隆彦

東芝ITサービスは、東芝ソリューションのグループ会社として、IT機器の導入から運用・保守まで、ITのライフサイクル全般に関するITサポートを提供する会社です。東芝製品に限らず、マルチベンダーの製品に対応しているのが当社の特長です。

技術の多様化、変化の激しいITサポート市場において、お客さまへ「質の高いITサポート」をご提供するには、現場で得た情報やノウハウをフル活用した「現場力を生かす活動スタイル」への変革が必要であると考えました。

そのためには、技術担当を頂点とするピラミッド構造の組織による情報伝達に加え、企業内の個々人が保有する分散されたノウハウをスピーディーに集約し、フラットに情報共有する必要がありました。これは、オープンソースのコミュニティに見られる、組織、役割、所在にとらわれない情報共有と同じスタイルで、われわれは「自律貢献型」と呼んでいます。

これを実現するために、まずは業種ごとに最適化された複数のCRMを東芝のCRMソリューション「T-SQUARE」に置き換え、社内の情報の集約を図りました。サポートセンター業務ではT-SQUAREの「CT-SQUARE」、フィールド業務では同シリーズの「FS-SQUARE」を活用しています。

さらに、情報を可能な限り迅速に収集し活用するため、PCを主体としたインフラ構築をモバイル先行型で構築する「モバイルファースト」の考えを取り入れ、全国に展開する各拠点のフィールドエンジニアはFS-SQUAREをタブレットで活用しています。

これにより、作業履歴などの迅速な情報共有はもとより、突然の予定変更でも作業指示やマニュアルなどを移動中でも確認でき、迅速かつダイナミックな対応が可能になりました。

T-SQUAREの特長である、統合CRMソリューションならではの有機的な情報連携により、社内に散在していたお客さま情報をシームレスに共有できるようになり、お客さまの期待を超える質の高いサービスを実現できました。

今後はさらにT-SQUAREを活用して情報共有を進め、保守や営業の垣根を越えて全社員が連携してお客さまをサポートできるようにしていきます。
取り組みへの課題

*2014年11月より販売しているT-SQUAREx、T-SQUARE/CT、T-SQUARE/ASには、その前身である本稿のT-SQUARE、CT-SQUARE、FS-SQUAREでの実績やノウハウも継続して生かされています。

※本内容は東芝ソリューションの情報誌「T-SOUL14号」の特集から転載しています。
※本記事に関する社名、部署名、役職名などは2015年4月現在のものです。
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