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AI搭載レジやRFID活用など、最新トレンドが結集!
「リテールテックJAPAN 2018」レポート

更新日:2018年3月28日

2018年3月6日〜9日、東京ビッグサイトにて日本経済新聞社が主催する「リテールテックJAPAN 2018」が開催された。4日間で119,928人が来場し、連日大きな賑わいを見せていた同展示会のレポートをお届けする。

リテールテックJAPAN 2018

流通・小売業界の"今"と"未来"がわかる国内最大級の展示会

流通・小売業界向けのソリューションを提供する代表的な企業が一堂に会する流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2018」。第34回目となる今年は211社が出展し、業界に新たな息吹を吹き込む最新ソリューションや、製品化が待ち遠しくなる参考出展など、流通・小売の"今"と"未来"が濃縮された展示会となっていた。

今年の出展分野は大きく分けて6つ。総合的な流通情報システムの提案をはじめ、本部の管理・計画機能を支援する「トータル流通総合システム」。POSターミナルや電子決済などの機器・システムを扱う「決済・カード&レジ・周辺機器」。あらゆるチャネルを連携させて消費者にアプローチする「オムニチャネル」。物流、倉庫、検品、宅配などの業務を効率化する「物流システム&機器」。モバイルを活用した業務システムや店舗ネットワーク、クラウド構築を担う「モバイル&クラウドネットワーク」。そして、小売・流通業のビッグデータ解析システムやウェアラブル、AR・VRなどのテクノロジーを扱う「AI&IoT」だ。

いずれの分野にも共通しているのは、やはり人手不足や業務効率化、生産性向上といった流通・小売業界が直面する大きな課題に対して、テクノロジー活用による解決を目指したソリューションであるということ。いくつかの展示内容をピックアップしながら、今年の出展傾向や業界のニーズをひも解いてみよう。


セルフレジはもう古い? 商品一括読み取りやAIレジが完成間近!

会場で大変な賑わいを見せていたのが、レジの自動化に関するソリューションだ。従来のPOSレジは1台ごとに業務を行う店員が必要で、一つひとつの商品を読み取るために時間がかかり、スペースの問題で増台が難しいケースも多い。近年は来店者が自身で商品バーコードを読み取って会計を済ませるセルフレジもスーパーマーケットを中心に増えつつあるが、今回の展示ではさらなる自動化、効率化、ストレスフリーを目指したソリューションが多数登場していた。

大手電機メーカー各社に目立ったのは、画像認識技術を他の技術と組み合わせたソリューションだ。例えば、画像認識とRFID技術を掛け合わせて、一括で商品が読み取れるPOSレジや、指静脈認証と画像認識技術を組み合わせて、来店者の動線データを取得しつつ、通過するだけで自動清算ができるレジなどが参考出展されていた。

サインポストが開発したAI(人工知能)を搭載したレジも興味深い。AIの認識率とスピードを生かして、来店者にストレスを与えることなく複数商品を一括認識して点数と合計金額を算出。POSシステムと連携ができるので大規模な設備投資が不要で、AIが判断に迷ったときや年齢確認が必要なときもリモート操作で離れた場所から店員が対応できるという。

AI搭載レジ「ワンダーレジ」

AI搭載レジ「ワンダーレジ」


さらに同社はSCSKとの共同開発でさらなる無人化を追求。実証実験段階の「スーパーワンダーレジ」は無人の店内に複数設置したカメラで来店者を認識し、あらゆる行動をカメラで追跡するという。手に取った商品やカゴに入れた商品をリアルタイムでAIが識別して金額を集計し、出口のディスプレイに合計金額を表示。電子マネーをかざして清算を済ませると、ゲートが開いて店から出られる仕組みである。手に取った商品を棚に戻した場合もきちんとマイナス処理ができる上に、こうした行動データを取得・分析してマーケティングに活用することもできる優れものだ。

店舗へのAI活用という観点で紹介したいのが、NTTドコモのAI技術を活用した画像認識エンジンと、サイバーリンクスの商品画像データベースを組み合わせたAI棚割画像認識サービス「棚SCAN-AI」。スマートフォンなどで撮影した商品棚をAI画像認識エンジンがクラウド上の画像データベースと照合し、商品情報や位置情報を判別。棚割システムとの連携により、店舗の実態を容易に把握することが可能になる。メーカー・卸売業にとっては、現状の陳列状況を把握・分析することで陳列計画の提案につなげたり、競合の陳列状況との差を認識したりできることがメリットに。そして小売業にとっては、陳列計画と実態とのギャップを把握したり、欠品によるチャンスロスの状況を認識したりできるメリットが得られる。

AI搭載レジ「ワンダーレジ」

AI棚割画像認識サービス「棚SCAN®-AI」



製・配・販あらゆるシーンへの展開が活発なRFID技術

自動認識技術のひとつであるRFIDは、先述したレジ清算のシーンに限らず、物流の製・配・販におけるさまざまなシーンで急速に普及しつつある。今回の展示会でも、工場における入荷検品や出荷検品、物流におけるピッキングや棚卸、店舗における品出しや万引き防止に至るまで、各社が工夫を凝らしたRFIDソリューションを紹介していた。

東芝テックが出展していたのは、スマートデバイスに装着可能なRFIDリーダー。店頭業務から入出荷管理、オフィスやバックヤードでの管理・探索に活用できて、汎用性や機動性、コストパフォーマンスに優れている点が特徴だ。1台で一括棚卸、入出荷作業が可能な上に、複数のタグから特定のタグだけをピンポイントに探索できる機能も業務効率化に大きく貢献するだろう。

RFIDハンドリーダー「UF-2200」

RFIDハンドリーダー「UF-2200」


さまざまなRFIDソリューションを手がけるサトーが新たな提案として参考出展していたのは、RFIDタグによるユニフォーム管理と入退出管理。従業員のユニフォームにRFIDタグを埋め込むことで、一着ごとの所有者管理を可能にし、紛失や盗難の防止につなげるという。小型のタグで目立ちにくく、洗濯やクリーニングにも対応する実用性の高さが好印象だ。ちなみに、クリーニング回数や着用期間などの付加情報も取得できるそうだ。

従業員の見える化という観点で、ホシデンのモニタービーコン「MEDiTAG」も取り上げたい。腕やヘルメットなどにビーコンを装着して位置情報をリアルタイムに把握するサービスはたくさんあるが、同製品は脈拍数、活動量、ストレスレベルといった健康状態まで把握することを実現している。工場や物流センター、店舗などへの活用はもちろん、高齢者や子どもの見守りなど、幅広いシーンに活用ができそうだ。


バイタルモニタービーコン「MEDiTAG」

バイタルモニタービーコン「MEDiTAG」



大幅な効率化や収益アップが見込める、サプライチェーン全体の改善

今年の出展傾向で印象的だったことのひとつとして、製・配・販の全体にまたがってテクノロジー活用で最適化を図るソリューションが多かった点を挙げたい。

例えば、調達から生産、供給、輸送、販売に至るまでのサプライチェーン全体を最適化するようなサービス。これは需要予測や在庫状況、輸送状況など日々変化する現場のデータをもとにシナリオを作成し、サプライチェーンのモノの流れを仮想空間上でシミュレーションするものだ。現場の状況を考慮した最適な計画を各社にフィードバックすることで、コストの最適化などを図ることができるという。

また、ECマーケットの拡大よって消費者の行動がオムニチャネル化している現在、各ECモールの情報と店舗の情報、在庫情報などを統合したいというニーズが高まってきている。
こうした需要に応えるのが、三菱商事ロジスティクスと東計電算によるオムニチャネル戦略サポートシステム「Styles by JET」(参考出展)だ。クラウド型のシステム連携で物流や生産、店舗などサプライチェーン上のあらゆる情報を一元管理し、リアルタイムに可視化。各ECモールの商品マスタの一括登録や、発注数量の自動計算、配分業務の自動化などが可能になる。各システムを連携して情報共有ができれば、販売機会ロスや無駄なコストを防ぐことができ、生産性の向上につながるだろう。なお、東計電算は食品業向けに販売・購買・製造・在庫管理を統合した業務管理システム「Sky-Mart」も開発。デジタル化が難しいと言われる水産・青果・食肉の生鮮3品の管理を実現しており、小売や生産者の収益向上に貢献している。

最後にひとつ、物流の中でも一般の消費者に近い部分における製品を紹介したい。

宅配便自動受付機 1

宅配便自動受付機 2


こちらは沖電気工業が参考出展していた、宅配便自動受付機。封書などの郵便物を含む宅配物の重さとサイズを測定し、自動で配送料金を算出する。これにより、コンビニ宅配便受付サービスのセルフ化、郵便局窓口の郵便物受付のセルフ化を実現。レジや受付の待ち時間短縮にもつながるという。将来的には宅配ロッカーとの連携も想定しているそうだ。

紹介した展示のほかにも、高度な技術を駆使した製品や、斬新なアイデアを生かしたサービスに出合えた「リテールテックJAPAN 2018」。物流業界が解決すべき課題はまだまだ山積みだが、各企業の新しいソリューションや、時間を惜しまずに説明をしてくれた担当者の熱い思いに触れて、きっと物流の未来は明るいのではないかと思わされる4日間であった。



コラム&レポート


ライタープロフィール

ライター:松山 響
クリエイティブプロダクションにて、大学広報ツール、雑誌、書籍、企業ウェブサイトなどの編集・執筆を担当。そのほか、生協の週刊情報媒体に編集者として創刊から携わる。現在は大手広告会社に出向し、オウンドメディアのコンテンツ編集を通して、社内外に向けた広報活動に従事。IT、デジタル、マーケティング、食、教育、地方創生、インバウンドなど、対象分野は多岐にわたる。


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