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お客さまインタビュー

ホテル業界でのホスピタリティと生産性の向上を実現する
RECAIUS フィールドボイス インカムExpress

カンパニー:アールエヌティーホテルズ株式会社 × RECAIUS フィールドボイス インカムExpress

 全国に展開するリッチモンドホテルを運営しているアールエヌティーホテルズ株式会社では、ホスピタリティ向上を目指した活動の一環として、音声認識や音声合成を活用した新たなコミュニケーション環境の整備や、業務の効率化に取り組んでいる。その基盤となっているのが、東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)が提供している「RECAIUS フィールドボイス インカムExpress(以下、RECAIUS)」だ。

ホテルを利用する顧客ニーズの多様化により、宿泊客の希望も多岐にわたり、清掃スケジュールの変更に柔軟な対応が必要となっていた。この変更指示に電話や紙を使っていたことで、情報の行き違いや聞き逃しがあり、清掃の手を止めてメモをせざるを得ない状況があった。

RECAIUSを導入したことで、フロントからの指示が直接清掃スタッフに伝わるようになり、清掃の動きや状況もフロントにリアルタイムに伝わるようになった。これにより、生産性と作業品質が大きく向上。清掃指示に関わる時間が約8割削減できたとみている。

導入の背景

おもてなしをITで支援するHospitality with Technology

 リッチモンドホテルは、2004年に設立されたアールエヌティーホテルズ株式会社が提携ホテルも含めて全国で44のホテルを運営している。「ひとと自然にやさしい、常にお客さまのために進化するホテル」を経営理念に掲げ、顧客のニーズにマッチしたホテルづくりを実践。複数の外部調査でホテル宿泊客満足度1位を過去何度も獲得しており、100万人を超えるリッチモンドクラブ会員数のおよそ4割が再び同ホテルを訪れるという驚異のリピート率を誇っている。

 多くの業界で人手不足が叫ばれている昨今、生産性を高めるための施策に取り組んでいる企業は多い。同社を傘下に持つロイヤルホールディングス株式会社 イノベーション創造部 担当課長 泉 詩朗氏も、ITを活用したイノベーティブな活動を通じて、生産性向上に取り組んでいる。「重視しているのは“Hospitality with Technology”の考え方です。どれだけ自動化が進んでも、接客や清掃といった“人による、おもてなし”に関する仕事は最後まで残るはずです。このおもてなしを支え、より良くするためにITをどう活用できるのかという視点で、さまざまな施策に取り組んでいます」と語る。

 なかでも、ホテル運営にはフロントスタッフや駐車場案内係、レストランスタッフ、そしてホテルの商品となる部屋を作り上げる清掃スタッフなど、多くのプレイヤーが関わっており、スタッフ一丸となって宿泊客へおもてなしすることが重要だ。「業務のベースとなるコミュニケーションにITを活用することで、気づきや心配りをさらに向上させ、お客さまへのおもてなしに生かしたいと以前から考えていたのです」と泉氏。その施策の1つとして可能性を感じていたのが、耳に装着して音声だけで操作する“ヒアラブル”の活用だった。

導入の経緯

時間延長など予定変更への柔軟な対応が可能な仕組みづくりへ

山本 裕一氏

アールエヌティーホテルズ株式会社
ファシリティマネジメント部 部長

山本 裕一氏

 特にコミュニケーションにおいて課題となっていたのが、フロントと清掃スタッフの間でのやり取りだった。「お客さまの要望に真摯に応えていくためには、スタッフの柔軟な対応が求められます。これまで、時間延長や人数変更など清掃スケジュールに影響する変更は紙や電話を通じて行われていましたが、指示がタイムリーに伝達できず、清掃作業が滞るケースが発生していました。この環境を改善したいと考えたのです」とアールエヌティーホテルズ株式会社 ファシリティマネジメント部 部長 山本 裕一氏は振り返る。

 実は、同ホテルでは以前からインカムを導入するなど、コミュニケーションの課題解決に継続的に取り組んでいた。昨今の技術革新により、デバイスの小型・軽量化やインターネットを活用した品質の高い回線が安価に手に入るようになるなどの環境変化を背景に、音声による効果的な情報伝達の仕組みがあるのではないかと検討を始めたという。そこで、音声を使った新たなコミュニケーション基盤の構築に向け、客室数や利用されているお客さまの属性から「リッチモンドホテルプレミア 武蔵小杉」をターゲットに、音声による効果的な情報伝達の仕組みを検討することになったのである。

導入のポイント

可視化によって課題が洗い出せるプラットフォームが大きな魅力

 検討に際して注目したのが、東芝が提供しているRECAIUSだった。「これを使うと指示内容を後からテキストで見直すことができ、さらに発話した内容も録音されているため聞き直せます。また、テキスト入力した情報を、聞き取りやすい声に変換できる音声合成機能が備わっている点は大きなポイントでした。音声からテキスト、テキストから合成音声、音声の録音など複数の入出力が可能なことから活用の幅が広がると考えました」と泉氏は話す。

泉 詩朗氏

ロイヤルホールディングス株式会社
イノベーション創造部 担当課長

泉 詩朗氏

 また、現場の状況を蓄積することで業務の可視化が可能となり、改善活動につなげることができるのも大きな魅力だという。「日常的にやり取りされた音声やテキストの情報を蓄積しているので、発話回数やその内容の傾向を分析できようになりました。業務の可視化により、問題の原因を探し出せる点を高く評価しました」と同氏。

 清掃スタッフをマネジメントする立場の孔 準秀氏は、「最初は発話した内容がテキスト化されることに多少の抵抗感がありましたが、聞き漏らした内容をその場で確認できるだけでなく、指示内容を検索することもできるため、業務改善にも貢献してくれることが分かってきたのです」。以前からインカムを使っていたこともあり、現場のスタッフへはスムーズに導入できると考えたという。

導入の効果

聞き返しなどの発話が減り、清掃指示に関わる時間を約8割削減へ

土場 剛氏

リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉
支配人

土場 剛氏

 現在は、フロントと事務所、清掃の各スタッフがRECAIUSを使っている。フロントと清掃スタッフのやり取りは、1日では200~500回ほど、1ヶ月で1万回にのぼる。「RECAIUSの導入前は、どの程度会話がやり取りされているのか、どちらからの発信でどのような内容なのかも全く把握していませんでした。それが可視化できたことは大きな成果でした」と泉氏は評価する。

「お客さまから『一時的に外出するので今すぐ清掃してほしい』といった依頼や、チェックイン時間が繰り上がった場合に客室の清掃順を変更することも。お客さまによって客室に用意するアメニティ類の設置場所が異なる場合もあるため、急な依頼にもRECAIUSのおかげで柔軟な対応ができるようになりました」とリッチモンドホテルプレミア 武蔵小杉 支配人 土場 剛氏は話す。

 このようにRECAIUSの導入によって、音声とテキストの特性を生かした円滑なコミュニケーションが可能になった。特に、スタッフそれぞれの仕事の邪魔をしないかたちでコミュニケーションが図れるようになったことは大きなポイントだったという。「当初は、音声をテキスト化することを中心に考えていましたが、フロントでは接客中に指示が出せないことに困っていました。急ぎの時は事務所に下がって、別のスタッフに連絡を依頼しますが、清掃スタッフ側が手を離せず連絡がつかないこともありました。そこで、接客中でも清掃スタッフに直接連絡ができるようにパソコン上からテキストで指示を出すフローに変更しました。」と泉氏。

 合成音声については、非常に聞き取りやすく現場からも好評だという。さらに、ホテルならではの専門用語や言葉遣いを音声合成のユーザー辞書に事前登録し、普段の会話と違和感のない発話を実現している。「部屋番号なら“ひゃく・よん”ではなく“いち・まる・よん”、ルームチェンジは略して“ルーチェン”と登録しました。イントネーションも自然で、伝わりやすくなりました」と土場氏。

 「1分1秒の世界で作業をしている清掃スタッフの手を止めることは一番の弊害です。聞きとれなかったことによる無駄な会話の回数も減り、その分それぞれの作業に集中できるようになったので、RECAIUSが生産性の向上に寄与していることは間違いないですね」と山本氏は評価する。試算では清掃指示に関わる時間について約8割の削減効果が見込まれている状況だ。

孔 準秀氏

リッチモンドホテルプレミア武蔵小杉
清掃スタッフ マネジメント担当

孔 準秀氏

 土場支配人は、得られた情報を統計的に見て振り返りができるようになり、環境改善の一助になっていると評価する。「自分たちのコミュニケーションが円滑に行われていることが数値として可視化できると、改善するために何をしていくべきかという建設的な話ができるようになりました。これができるようになったのはとても大きな進歩です」と同氏。フロントスタッフからは「使い始めたら元に戻れない」と高評価の声が寄せられているという。

 泉氏は、ヒアリングして改善につなげていく東芝の姿勢とその対応力を評価する。「新たなツールの導入に際して、不安に感じる人がいないようスタッフに何度もヒアリングし、清掃の打ち合わせにも同席してくれました。関係者が本音で話せるような空気が醸成されてきたのは東芝のおかげです」。孔氏も「RECAIUSを使って、さまざまなことを見える化できました。東芝には、プロセス改善に向けたディスカッションや、こちらの視点に立った提案もしっかりして貰えたので感謝しています」と語る。土場氏は「東芝の皆さんは、現場を知ろうと寄り添い、私たちのホテルについて真摯に考えてくれました」と語る。

■RECAIUSでコミュニケーションを改善、顧客サービス向上を目指す

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将来の展望

ES向上を図りながら、AIやIoTなどさらなる技術への適用にも期待

 現在、他のリッチモンドホテルにもRECAIUSを展開しているが、まだ序章の段階だと山本氏は振り返る。「本部の立場としては、東芝が手掛けているさまざまなソリューションをリッチモンドホテルにどういかしていけるのかを一緒に考えていければと思います。お客さまのさらなる満足度向上に取り組んでいきますが、それと同時に、社内のES(Employee Satisfaction)も変えていけるような提案をさらに求めています」と同氏は力説する。特に多角的に事業を展開している東芝に対しては、AIやIoTなどの最新技術をホテル業界に適用、より良いサービスを実現していける可能性を感じているという。

 また、スタッフが感謝の気持ちを伝え合うようにするなど、働き方やES向上に寄与する活動も始めていく予定だ。「効率化も大事なことですが、気づきを自ら発信できる雰囲気作りや働きやすさ、満足度、達成感といったものが重要です。感謝の気持ちをシェアすることでスタッフの意欲も高まり、生産性向上にもプラスの効果が生まれていくでしょう」と土場支配人。

(左から)
孔 準秀氏、土場 剛氏、山本 裕一氏、泉 詩朗氏

 泉氏は、今後さらに、IoTとの接続等を通じてスタッフの動きを見える化し、より効率的で働きやすいモデルを作っていきたいと意欲を見せる。また、「今回はホテルにフォーカスしていますが、グループとしては飲食や工場なども運営しています。音声をテキスト化することの有用性がしっかり確認できましたので、さらに広範な使い方に期待を寄せています」と今後について語っていただいた。

 東芝は、これからも同グループ内への展開について共に取り組んでいく。そして同時に、これまで培ってきた知見をベースに、接客サービスや施設運営を行う業界にも、新たな働き方改革による多くのメリットをもたらしていくだろう。

SOLTION FOCUS

RECAIUS フィールドボイス インカムExpress

トランシーバーやインカムのように、多人数で情報共有できる音声認識技術を利用したスマホアプリケーション。発話内容をテキスト化し、「音声」と「テキスト」の両方で情報共有することで、現場間のコミュニケーションをサポート。発話音声とテキストをスマートフォンへ配信すれば、聞き逃した時の振り返りが可能。また、PCアプリからの合成音声による一斉配信や発話内容の検索、発話内容のダウンロード機能で、業務を改善したり、IoT機器との連携による情報配信などの機能拡充により、さらなるコミュニケーション活性化と現場改善の促進にも活用できる。

この記事の内容は2019年9月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。

COMPANY PROFILE

会社名
アールエヌティーホテルズ株式会社
設立
2004年4月1日
代表者
代表取締役社長 福村 正道
本社所在地
東京都世田谷区桜新町1-34-6
事業概要
ホテル・食堂・レストラン・喫茶店の経営、運営受託および経営指導
URL
https://rnt-hotels.co.jp/ 別ウィンドウで開きます

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