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Vol.27 運用・メンテナンス(O&M)業務はデジタル化でこう変わる! 設備を活かす、人を活かす東芝のO&Mソリューション

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#01 ビジネス構造の変化に応え、O&Mをコストから価値へ 現場の変革を企業の力に。東芝のO&Mソリューション 東芝デジタルソリューションズ株式会社 甲斐 武博

これまで設備の維持・点検業務という域を出なかったO&M*(運用・メンテナンス)が、企業の競争力の源泉として活用される動きが急速に高まっています。製造業やインフラ事業者が今、向き合っているのは主に2つの課題です。国内の設備の老朽化や少子高齢化によって加速する労働力不足を見据え、省力化と設備の稼働率向上をいかに実現するか。もう1つは、O&Mというプロセスを、IoT*やAI*を中核としたデジタル技術でいかに変革するか。東芝デジタルソリューションズではこのような課題に応えるため、メーカーなど機器や装置の提供者側と、工場やインフラを運営し実際に設備を使う利用者側双方のO&Mサイクル全般にわたる各プロセスを、東芝グループの知見と先進のデジタル技術で高度化。東芝IoTアーキテクチャー「SPINEX(スパインエックス)」に基づく東芝の「O&Mソリューション」として、多彩なソリューションの提供を行っています。ここでは、O&Mを取り巻く社会環境の変化や、デジタル化によるインパクトを明らかにしつつ、東芝の現在のソリューションをご紹介します。

*O&M:Operation & Maintenance(運用・メンテナンス),IoT:Internet of Things(モノのインターネット),AI:Artificial Intelligence(人工知能)

労働人口の減少という、深刻な課題

機器や装置の提供者側、利用者側にかかわらず、製造業やインフラ事業者の間では、O&M業務の変革が強く求められ始めています。その背景には社会構造の急激な変化があります。

そもそも道路や電力、上下水道といった社会インフラはひとたび設備に故障が発生し、停止すれば、人々の暮らしや生命に大きな影響を及ぼしてしまうミッションクリティカルな存在です。グローバルな企業間競争にさらされる工場の生産設備も同様です。もし工作機械に故障が起きて製造ラインが停止すれば、工場を抱える企業には経営に支障をきたすほどの大きな損失が発生してしまうこともあるでしょう。

そこで各種設備を長期的に維持管理し、万一の場合にも即時復旧を図るため、機器や装置の提供者側では保守・保全サービスの高度化に力を入れ、利用者側においても自ら一定の専門人員を配置してO&M業務を実施しています。

ここで大きな課題として立ち塞がりつつあるのが、少子高齢化に伴う労働人口の減少と拠点のグローバル化です。専門機関の推計では、2030年までに国内の生産年齢人口がおよそ700万人以上減少すると試算されています。これは直近の2015年と比べて、およそ10%の働き手がいなくなることを意味し、企業活動への大きな影響が懸念されています。生産設備でもインフラ設備でも、そのO&Mの現場では、最適化された特注の機器や代替がきかない装置を対象とする場合が多く、現場で経験を積み重ねた熟練者の知識や技術を元にした判断が、設備の維持管理、故障回避、さらにはグローバル拠点での稼働率の向上を支えています。属人化している点検・保守・運用に関する「暗黙知」を「形式知」に変換するとともに、省力化と稼働率向上を高度に両立するO&Mの新たな仕組みづくりが求められています。

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デジタル化で、O&Mを競争力に

甲斐 武博

こうした課題に応える武器として大きく期待されているのが、IoTやAIを中核とした先進のデジタル技術です。これまでも工場や社会インフラにおいては、ICTを設備の保全や現場作業の効率化、運転計画の最適化に役立ててきました。IoTやAIの導入はこうした取り組みをさらに強化し、高齢化や人材不足の懸念を払拭した上で、その効果をグローバル規模で飛躍的に高めることが可能です。

例えばデジタル化により、IoTで各種センサーから時系列で集まる膨大なデータを継続的に遠隔からモニタリングし、AIで分析することで、メンテナンスの効率を向上させることができます。また、熟練者のオペレーションをデータとして取得してセンサーデータなどと関連付けることで、「この部分が故障する」「この状態はトラブルを招く」といった暗黙知がデジタル化でき、高度な予防保全へと成長させることも可能です。これらにより、製造ラインを突然止めるような事態を回避できるばかりか、機器の状態を常に把握することで保守部品に関わるコストの削減にもつなげることができるようになります。

デジタル化によるインパクトは、それだけではありません。O&Mの現場におけるIoTやAIの導入は、特にメーカーなど機器や装置の提供者側のビジネスモデルを大きく変革する原動力になります。製品が使われている状況、故障が起きた際の状態、現場特有の環境などを総合的に分析すれば、結果を起点とした製品機能の改良にとどまらず、製品パフォーマンスの最適化やエネルギーコストの削減など、製品ライフサイクル全般にわたる改善や顧客価値向上を図ることができるようになるからです。この段階で製品は価値を提供する「媒体」へと変化し、O&Mは製品を維持・点検するコストから「価値」を生み出すサービスへと変化します。提供者側は機器や装置の使用状況を元に、遠隔からソフトウェアの入れ替えや設定変更を行い、個々の環境変化やニーズに対応。パフォーマンスが維持されることを前提に使用量や利用回数に応じた従量課金、さらにはコストセービングなどに応じた成果報酬型へのビジネスモデルの転換が可能となります。「as a Service」や「Subscription」と呼ばれ、製品と保守・運用サービスとが一体となったこのサービス型のビジネスモデルは、提供者側を「機器売り」から解き放つばかりか、顧客との太く長いリレーションシップを育む基盤になると期待されています。

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東芝は2つのサイクルに応えて、O&Mを変革

東芝デジタルソリューションズは、こうしたO&Mにおけるデジタル化の可能性に、早くから着目していました。先進のIoT技術を活用して、工場やプラント、水処理施設、ビルファシリティーなどさまざまな施設において、センサーや機器の接続、データ収集、蓄積・分析、その活用までを支援することが可能です。故障検知の早期化や点検・保守・運用の効率化に、豊富な実績を積み重ねてきました。これは、東芝グループにおいてエレベーターや電気設備、産業機器のメーカーとして安心と安全を見守ってきた経験と、工場やプラントでの機器や設備のユーザーとしてのO&Mの知見の双方があるからです。さらに最新のデジタル技術を組み合わせた自らの実践経験を生かしたデジタルソリューションを提供することができるユニークな存在なのです。

こうした実践に基づくノウハウを、東芝IoTアーキテクチャー「SPINEX」に基づき体系的に統合。IoTやクラウド、AIなど先進の技術を適材適所に駆使して、O&Mのデジタルトランスフォーメーションを強力に支援する「O&Mソリューション」を提供しています。O&Mには、大きく分けて2種類のビジネスサイクルが存在しています。メーカーである提供者側と、工場やプラントを運営する利用者側のサイクルです(図1)。

図1 O&Mのデジタルトランスフォーメーション

それぞれ最適化する対象であるモノ、人、資源に対して「監視・収集・検知」→「統合・関連分析」→「予知・予測」→「計画」→「実行・運転」という5つのプロセスが存在します。例えば、製品の提供者である工作機械メーカーは、顧客に納品した機械の運転データや部品の稼働データを収集・分析することで、部品が壊れる前に交換を促すアナウンスをしたり、消費電力の削減案を提示したりすることが可能になります。一方、利用者側では納入された工作機械の状況とコンディションを継続的に見極めることで、設備の稼働率向上だけでなく、定期点検など一定の時間間隔でメンテナンスを実施する「TBM(Time Based Maintenance:時間基準保全)」から「CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)」への変革によるメンテナンスコストの削減を実現することが可能です。

当社が提供するソリューションはこれら2つのO&Mサイクルに対応し、提供者側と利用者側の双方の価値創造に、実践的なデジタルトランスフォーメーションで貢献することができます。現場の活動をデジタル空間へリアルタイムに再現する「デジタルツイン」、エッジ側でのリアルタイムなデータ処理とクラウドやFogサーバーとの協調処理を行う「エッジコンピューティング」、そして当社の2つのAI技術である東芝コミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)」東芝アナリティクスAI「SATLYS(サトリス)」といったテクノロジーをさまざまな業務システムと組み合わせて、最適なソリューションを提供します。

工場のO&Mには、IoTデータの収集と蓄積、見える化をはじめとするデータの活用を一貫してサポートする、ものづくりIoTソリューション「Meisterシリーズ」を提供。設備メーカーの遠隔監視やオペレーションをクラウド環境でサポートする「IoTスタンダードパック」、ベテラン技術者の知恵と技をデジタル情報に落とし込み、現場の作業者を支援する「Meister Digital Field Work*」や「Meister AR Suite*」など最新のソリューションの提供も始めました。

*Meister Digital Field Work は#03で、Meister AR Suite は#04で詳しくご紹介しています。

企業におけるO&Mサイクル全体の最適化を実現するためには、最新のデジタルソリューションだけでなく、業務システムとの最適なインテグレーションが必要です。

設備保全全般のプロセスをカバーするEAM*システムや顧客接点となるコールセンターシステム、保守部品の調達やサプライチェーンとの統合を図り、O&M領域の全体最適へ向けたトータルソリューションを提供していきます。

*EAM:Enterprise Asset Management(設備管理)

図2 O&Mソリューションの適用例

O&Mをコストから価値、そして競争力の源泉へと変換させていく。企業活動全体にインパクトある変革をもたらすO&Mの可能性を、東芝のO&Mソリューションが切り開いていきます。

※この記事に掲載の、社名、部署名、役職名などは、2018年10月現在のものです。

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